ワイパー工法
概要
放射性物質によって汚染された農地土壌において、放射性物質が高濃度に集積した最表層土の除染のため、固化剤混合スラリーを吹付け、この層を固化して選択的に削り取りやすい構造に改変するとともに、これを効果的に収集・保管することを目的として、(独)農研機構農村工学研究所と共同で開発した技術(工法)です。
特長
表層(約2~3cm)に放射性セシウムが集積している未耕転状態の農地では、削り取り厚さを必要最小限とすることが処理土量の減量化および農地における除染後の作物生産性への影響を最小限にする点で合理的です。
- ●固化剤の吹付による農地表層の固化
マーカー機能:固化剤は白色系を使用するため、削り取りの目安となります。
取りこぼし防止:白色系固化剤が表土の取りこぼし防止となります。
作物生産への影響回避:作物生産に影響がないマグネシウム系または石灰系固化剤を使用します。
粉じん防止機能:表面を固化するため作業時の粉じん防止となります。 - ●小型油圧ショベルのバケットを横方向にスイング(ワイパー)させる表土削り取り
軟弱土対応:接地圧の小さな油圧ショベルを使用して対応します。 br>
厚さの制御:既存方法では制御が困難な微小な凹凸に対応します。
実証試験(福島県飯館村)