土木 / 工法 / 斜面・のり面対策 / 地山補強土
NSDシステム
概要
NSDシステムは、安全性 利便性 省力性 を命題に開発した、斜面形状や対策規模などのあらゆる状況にも対応できる、足場仮設を不要とした補強土・アンカー削孔システムの総称です。
従来の補強土工・アンカー工の削孔では、削孔機を設置するための足場組立が必要でした。斜面上に仮設する足場組立は、人力による作業が中心となり、架設に日数を要しました。特に長大斜面での施工は膨大な数量の足場材を要し、それに伴う仮設費用の増大はもちろんのこと、工程管理上のネックとなっていました。
NSDシステムは、足場仮設なしで削孔を行うことを目的として開発されたシステムで、現場の状況に応じて選択できる4つの工法で構成されています。
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特長
- ●ロックボルトの削孔から頭部処理までの作業を足場架設なしに施工が行える。
- ●二重管削孔、特殊ビット削孔等の削孔システムとRAD混和剤※1を使用した注入材料を併用することで崩壊性地盤への対応も可能です。
※1:RAD混和剤は、アンカー・ロックボルト用注入材の可塑状団結を促進させる機能を有した混和剤で、可塑状団結の促進により注入材の逸失を防ぎ、所定量のグラウトで亀裂性の高い地盤での確実な注入が可能です。
削孔システム
(1)クライミングドリル工法 (PAT)
短尺削孔用に開発したクライミングドリル工法は、可動式レール上を移動する機構となっている点に特徴があり、移設時間が大幅に短縮できる利点を有しています。対象となる斜面はレールの移設が可能な、表面保護工の施工が実施されている斜面に限定されますが、該当する斜面では全体工程の短縮が可能となります。
(2)ラダードリル工法 (PAT)
ラダードリル工法は、法枠に固定した専用ラダーを使用し縦移動、横移動が自由に行えます。直線用ラダーと曲線用ラダーを組み合わせて使用することで法面上の障害物、小段部もスムーズに移動ができます。またドリルの上下にはウインチを使用します。ラダードリルはセンターホールドリフタ方式を採用した軽量型の削孔機で、ガイドセルが短く狭隘な場所でも施工が可能で、2.5m程度の削孔をロッドの継ぎ足しなしに一気掘りで施工が行えます。
(3)スカイドリル工法
スカイドリル工法は、クレーンやバックホウのブーム先端に削孔機を装着し、削孔するシステムです。これらのベースマシンに削孔機を取り付けることにより、ブーム旋回範囲内での円滑な移設・削孔が行え、ブームのフィード圧を利用しますので特別な反力装置が不要です。
(4)ハングドリル工法 (PAT)
ハングドリル工法は、スカイドリル工法の適用が難しい、非常に高所な場所や道路下の斜面といった、クレーンなどのブームが届かない所での施工が可能です。2重管削孔が可能な油圧式ドリフターを搭載した構造の削孔機をクレーンで吊り下げた状態で使用しますので、アンカーの削孔も可能となり、汎用性の高いシステムです。